プレスリリース
日本政府が発行する1.6兆円のクライメート・トランジション・ボンド、クライメートボンド認証取得
世界初:日本の野心的な排出削減を支援
東京/ロンドン、 02/08/2024 15:30 JST:
日本政府は、国際的に認証された1.6兆円(約110億米ドル)のクライメート・トランジション・ボンドの初回債(以下、本債券)を発行する。調達資金は、「GX推進戦略」の一環として、排出削減へ向けた取り組みの財源となる。
「GX推進戦略」では、日本の排出削減を支援するための持続可能な技術等に向けて、今後10年間で150兆円(約1兆米ドル)の官民投資の動員を目指している。「GX推進戦略」は2030年の温室効果ガス(GHG)削減目標および2050年までのカーボンニュートラルに対する日本政府の具体的コミットメントを示すものである。
本債券は、クライメートボンド基準(Climate Bonds Standard)に適合しており、クライメートボンド認証を取得している(Climate Bonds Certified)。認証は、投資家に対して資金使途の環境目標に対する保証を提供し、本債券がグローバル基準のベストプラクティスに沿っていることを示すものである。
ショーン・キドニー (クライメート・ボンド・イニシアチブ CEO) コメント
「トランジションは今年のテーマです。各国、各都市、各企業は世界が合意した排出削減目標に沿ってトランジション計画を策定しなくてはなりません。各国は、パリ協定に基づき、来年のCOPに向けて、野心を高める形で新たな「国が決定する貢献(NDC)」を検討している最中です。NDCの策定は、まさにトランジション計画です。本債券は、国やその他の事業体に対して、トランジションのための資金をいかに調達しうるかを示しており、トランジション・ファイナンスにとって重要なマイルストーンとなります。」
本債券は研究開発(R&D)に関する取り組みに調達資金の55.5%を配分し、世界の気温上昇を1.5°Cに抑えるための日本の取り組みとして、再生可能エネルギーから製鉄における水素利用の拡大に至るまでの広範を支援する。また調達資金の44.5%を補助金事業に配分し、蓄電池の製造支援や建物のエネルギー効率対策などを支援する。
本債券は資金使途を明確に特定しており、ガス火力発電所への設備投資や石炭火力発電所でのアンモニア混焼の運営にかかる一切を対象から除外している。
独立の第三者による検証報告書は、2019年以来クライメート・ボンド・イニシアチブの認定検証機関である株式会社日本格付研究所(JCR)より発行された。
梶原 敦子氏 (株式会社日本格付研究所 常務執行役員 サステナブルファイナンス評価本部長) コメント
「2020年以降、JCRは、パリ協定の1.5°C目標の達成に向けた日本の2050年ネットゼロへのトランジション経路を構築する政府の取り組みに貢献してきました。JCRは、政府の強力なイニシアチブが今後数十年の間に、カーボンニュートラルと事業拡大の両方を達成する方法を模索している、多くの日本企業の助けとなることを願っています。」
本プレスリリースに関するお問い合わせ:
Leena Fatin Senior Strategic Communications Manager (+44 759 3320 198), Leena.fatin@climatebonds.net
細谷優希 Japan Senior Business Development Analyst, yuuki.hosoya@climatebonds.net (日本語対応)
クライメート・ボンド・イニシアチブについて : クライメート・ボンド・イニシアチブ(Climate Bonds Initiative)は、債券市場への資金動員を通して気候変動解決を目指す国際的な非営利団体である。クライメートボンド基準と認証 は気候変動課題に取り組み、パリ協定の1.5°C目標に整合する投資への認証付与、現在では企業や団体を対象とした、科学的根拠に基づく包括的なマルチセクターや組織に関する認証制度である。 ウェブサイトはこちら。