Press Release
日本の国家安全保障はクリーン電力の拡大が鍵を握る
Published: 17 Feb 2026
日本のエネルギー安全保障を実現するための4つのステップ
主なポイント:
- 日本は2040年までに現行の政策目標を上回る80%以上にまでクリーン電力比率を高めることが可能
- AIデータセンターと半導体製造による電力需要増は、長期的なクリーン電力投資を支える機会とみなされる
- 再生可能エネルギー拡大とエネルギー安全保障強化に必要な投資額は2035年までに38兆円と試算される。これらはの投資は年金基基金や保険会社などの長期投資家にとって十分に採算性のある設計が可能
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東京、2026年02月17日 07:00am:
クライメート・ボンド・イニシアチブは、新たなレポート「再生可能エネルギーは日本エネルギー安全保障の要諦 」を発表しました。本レポートは、国内クリーン電力の大幅拡大が日本の国家安全保障、経済の強靭性、戦略的自立性の向上に直結することを示します。
日本は世界でも有数のエネルギー輸入国であり、2024年時点でエネルギー供給の87.4%を輸入に依存しています。こうした構造は、地政学リスク、国際市場における価格の変動性、サプライチェーン途絶への脆弱性を高め、エネルギー政策を経済課題から国家安全保障の最優先課題へと押し上げています。
エネルギー依存は日本の安全保障上のリスク
燃料調達先の多様化は、市場の変動や海上輸送といったリスクの回避策としては限定的です。日本の課題は、再生可能エネルギー資源の不足ではなく、送電網のインフラ不足と導入のスピードにあります。実際、環境省の調査では、 風力と太陽光発電の資源は国内需要の2倍を賄える潜在能力を持つとされます。
太陽光・風力・原子力を含むクリーン電力を加速的に拡大することで、エネルギー自立、地域経済の活性化、新たな産業クラスター形成、そして長期的な経済の安定性や成長といったレジリエンスの強化に繋がります。
日本の電力需要は、新規データセンター、AI関連施設、半導体工場の建設により、2034年までに5.8%増加すると予測されています。この増加分を今後も引き続き輸入化石燃料で賄うことは、価格ショックなどの変動リスクへの曝露を増大させることになります。一方で、国内クリーン電力で賄えば、予測される需要増加に見合う長期的な電力購入契約を確保し、クリーン電力への投資拡大を促進することが可能です。
実現可能な2040年クリーン電力80%計画
最新モデル分析では、クリーン電力60~70%という第7次エネルギー基本計画の目標を超え、80%以上のクリーン電力比率が実現可能と示されています。太陽光、洋上風力、浮体式洋上風力、蓄電池のコスト低下により、2035年までに卸電力価格は6%低下が見込まれています。
2035年までに必要な投資額は約38兆円と推計され、これは日本が計画する150兆円のGX(グリーン・トランスフォーメーション)投資の約25%に相当し、化石燃料輸入の回避によって相殺することも可能です。
日本のエネルギー安全保障実現の4つのステップ
クライメート・ボンド・イニシアチブは、クリーン電力への大規模投資と導入に向けて以下の4つを提案します:
- 経済産業省の計画に基づき、送電網の送配電容量を拡大する
- 再生可能エネルギー導入のための計画・許認可手続きの迅速化
- 分散型エネルギーの拡大
- 低金利資金を動員するための長期電力購入契約の活用
これらの政策措置により、日本は国家安全保障・経済・産業の要請に見合うスピードでクリーン電力導入を迅速化できます。
Climate Bonds Initiative CEO ショーン・キドニーのコメント
日本が国内クリーン電力を拡大することは、単なる排出削減ではありません。国家安全保障そのものです。適切な政策が整えば、日本は輸入依存を減らし、大規模な投資機会と長期的なエネルギーと経済の安定性を手にすることができます。
国内再生可能エネルギーの拡大は、日本が構造的な脆弱性を軽減し、長期的な電力コストを安定させる非常に効果的な方法です。そして何よりも、地政学的リスクが高まる時代における日本のレジリエンス強化に直結します。
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詳細・報道関係お問い合わせ先
Yumiko Watanabe
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