Press Release

エネルギー輸入への依存が、日本の安全保障上の課題に ー新報告書の分析、LNG戦略の見直しを提言ー

Published: 22 Jul 2025

New report warns Japan’s LNG strategy could undercut national resilience

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エネルギー輸入への依存が、日本の安全保障上の課題に 

ー新報告書の分析、LNG戦略の見直しを提言ー 

発行日:2025年7月22日 

日本のLNG戦略が国家レジリエンスを損なう可能性を指摘したレポートを発表 

  1. 日本は、化石燃料輸入への高度な依存によって、地政学的な課題が国家の安全保障リスクとなっている。 
  2. 一方で、クリーンエネルギーへの戦略的投資は、エネルギー安全保障と国家のレジリエンス強化の道を拓くものであり、同時に気候目標の達成にも貢献し得る。 
  3. 日本が引き続きLNGを使用するトランジション期においては、サプライチェーン全体でのメタン排出削減を最優先に取り組む必要がある。 

東京、2025年7月22日 午前9時(GMT): 
 クライメート・ボンド・イニシアチブは、化石燃料輸入への長期的な依存を削減し、国内のクリーンエネルギー発電への投資を大幅に強化することで、日本がグリーントランスフォーメーション(GX)戦略を加速すべきであるとする新たなレポートを発表した。 

本レポート「日本のグリーントランスフォーメーション(GX)戦略とエネルギー安全保障から再考する持続的成長の道筋」は、特にLNGを中心とした化石燃料輸入への依存が、地政学的な不安定化の高まりの中で深刻な脆弱性となっていることを強調している。 
日本は現在、石油の99.7%、LNGの97.7%、石炭の99.6%を海外に依存しており、同国のエネルギーシステムは世界的な供給ショックに対して極めて脆弱な状態である。 

LNGはこれまで「トランジション燃料」と位置づけられてきたが、最新の研究により、LNGのサプライチェーン全体におけるメタン排出が、同燃料の気候的な正当性を著しく損なっていることが明らかになっている。 

日本では、ソブリン・クライメート・トランジション・ボンドの発行や、メタン排出に関するCLEANイニシアティブの立ち上げなど、近年では一定の前進も見られるものの、第7次エネルギー基本計画では引き続き、新たなインフラ整備や長期契約を通じてLNGの利用拡大が推進されている。 
本レポートは、このような方針が日本の2050年ネットゼロ目標と整合していないと警告し、再生可能エネルギーへの本格的な転換と信頼性あるトランジションの加速こそが、日本をグリーントランジションの国際的リーダーとして位置づける鍵になると提言している。 

本報告書は、日本がGX戦略を現在の国際的文脈と整合させるために取るべき5つの優先行動を以下の通り提示している: 

  1. LNGサプライチェーンにおけるメタン排出削減の加速 
  2. 再生可能エネルギー導入を可能にする送電網の近代化と拡張 
  3. 蓄電技術と仮想発電によるエネルギーシステムのレジリエンス強化 
  4. エネルギー市場改革の加速に向けた国際的ベストプラクティスの導入 
  5. 原子力を「トランジション的手段」として位置づけ、透明性と国民の信頼を確保 

特に風力および太陽光などの再生可能エネルギーは、日本がエネルギー自立、地域活性化、エネルギー主権の確立に向けた最も明確な選択肢であると位置付けられている。 
 複数の研究によれば、送電網、蓄電、許認可制度改革への投資が伴えば、2035年までに日本の電力需要の最大80%を再生エネルギーで賄うことが可能だとされている。 

Climate Bonds InitiativeのCEO、ショーン・キドニー氏は次のように述べている。 
日本のエネルギー安全保障は、いまや気候変動対策におけるリーダーシップと直結している。クリーンエネルギーは、もはや持続可能性の課題ではなく、国家としてのレジリエンスに不可欠な要素となっている。日本はGX戦略とソブリン債の発行を通じて、グリーントランジションにおける卓越したリーダーシップをすでに示してきた。今こそ、そのコミットメントを実行に移すときである。 

<以上> 

本プレスリリースに関するお問い合わせ: 

細谷優希 Japan Senior Business Development Analyst, japan@climatebonds.net  

 

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